「蒲鉾は魚の大吟醸」鎌倉で培われた伝統の風味

井上蒲鉾店へようこそ

 四季折々の食卓をいろどるかまぼこは、香りと歯ごたえを身上とする食品です。井上蒲鉾店は、素朴な中にも洗練された味わいと、上品な後味こそがかまぼこの命と考え、創業以来60余年、鎌倉ならではの味を求め続けてきました。厳選された白身魚グチを素材に、つなぎを加えずに練り上げた「蒲鉾」、「梅花はんぺん」そして「小判揚」は、豊かな自然の恵みを生かした鎌倉の味の逸品として、皆様にご愛顧いただいています。
 美味行きつけば水となる。すなわち-真味只是淡-。なにとぞご賞味くださいませ。

井上蒲鉾店の歴史

 井上蒲鉾店の創業は昭和6年。大磯の「井上蒲鉾店」から分家した初代牧田芳幸が、鎌倉由比ガ浜ら店を構えて以来、鎌倉ならではの高級かまぼこを作り続けています。

 風光明媚な鎌倉の地には、明治天皇の御用邸をはじめ、各宮家、各界の著名人の別荘が多くあり、また大佛次郎、川端康成などの文士たちも鎌倉に居を構え、鎌倉独特の風土が築かれてゆきました。創業当時、かまぼこはまだ贅沢品であり、一般家庭では正月や慶事に口にするくらいのものでしたが、当初から、近在で唯一の高級かまぼこの店として御用邸や宮家のお引き立てをいただきました。

 香り、歯ごたえ、しなやかさ。これが、初代の高級かまぼこへのこだわりでした。そのため、素材となる魚の味と鮮度にきびしく目をくばり、澱粉などのつなぎはいっさい加えず、手をかけ目をかけてこしらえる。初代のポリシーと技術は、井上蒲鉾店に現在も生きています。製法もまた、創業当時のまま。つなぎや保存料はいっさい加えず、魚の味と職人の技だけでかまぼこを作り続けています。

 2代目高明社長は、先代の姿勢に加えて、かまぼこに「洗練された味わい」、「上品な後味」を求めています。それは、多種多様な現代人の食文化や好みの中で、清々しく冴えた味。まさしく美味行きつけば水となる。すなわち-真味只是淡-。

創業当時の井上蒲鉾店(昭和6年)

現在の由比ガ浜本店